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戦時徴用船手記「硝煙の海」読者各位への御礼

平成二十二年一月十九日

二〇〇二年五月本書を上梓するととともに 同年六月八日ホームページを開設しましたが、読者各位のご愛顧によりこのたびアクセスが十万に達しました。

何分、資料不足のため不備の点は否めませんでしたが、幸いインターネットのお陰で 旧船会社OB若干名から接触があり、貴重な助言をいただくことができましたので、ホームページ上では随時加筆のうえ原本を補完するとともに、第二部、第三部欄を設け、特記記録はテーマ別に掲載しています。

できれば全面的に書き改めたいのですが、高齢のため叶いませんのでご容赦願いたいと思います。また、情報を提供くださったほとんどの方は、既に鬼籍に入られたことは痛恨に堪えません。

所属船会社 大同海運は戦後日東商船と合併してジャパンラインとなり、その後山下新日本汽船と合併してナビックスラインに、更に今日、商船三井に吸収されましたが、 幸い神戸に大同海運のOB会「同友会」が残続していますので、辛うじて交流を保っています。

すでにサイト上でお知らせのとおり、一昨年十月の同友会物故者追悼法要の際、終戦間際に北鮮の清津沖で、ソ連雷撃機との攻防戦で向日丸護衛中の第82号海防艦が不運にも被雷轟沈のため向日丸が生存者を救出した秘話があり、そのときの生存者代表がこの法要に参列して、既に亡くなった向日丸西船長以下乗組員に対し救助謝意の追悼文奉納に当り、作家の土井全二郎氏が取材に駆けつけ、この一連の戦記を光人社NF文庫「戦時船員たちの墓場」第六章に収録されました。このお陰で、とかく一人歩きの埋もれた戦記の一端が公になったことは感謝に堪えません。

なお、真相追跡中の極秘案件もやっと解明の緒に達し、近く公開の予定ですので申し添えます。

先ずは更なるご愛顧を念じお礼に代えます。

©2010 Kaneo Kikuchi

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