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戦禍の救出劇 57年後の慰霊/呉'02/8/11

 太平洋戦争終了直前の一九四五年八月十日、朝鮮半島北部沖で、旧ソ連機の攻撃を受けて沈没した旧海軍海防艦82号の乗組員を救助した商船の通信員が、沈没から五十七年の十日、初めて呉市の旧海軍墓地にある同艦の慰霊碑を訪れ、生存者らと参拝した。

 参拝したのは、商船向日丸むかひまるの元通信員、菊池金雄さん(82)=仙台市=と、82号の乗組員だった安佐北区の横見務さん(74)や総社市、北九州市などの生存者六人。

 一行は九日夜、仙台から到着した菊池さんと東区内で五十七年ぶりに再会。生存者たちが「向日丸むかひまるの皆さんは命の恩人」と感謝すると、菊池さんは「82号の犠牲で生き残れた。こちらこそお礼を言いたい」と述べ、未明まで当時の様子などについて語り合った。

 十日は慰霊碑前で追悼式を行い、菊池さんが追悼文を読み上げ、全員で手を合わせた。菊池さんは「向日丸むかひまるの乗組員の消息が不明で一人でしか来られなかったのは残念だが、私の戦後にやっと一つの区切りが付けられた」と感慨深そうに話していた。

【写真説明】海防艦82号の慰霊碑の前で、追悼文を読み上げる菊池さん(右)と生存者たち

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