元山は江原道の東海岸の都市で、ソウルから東北朝鮮への入口にあたる交通の要衝である。元山港は永興湾の湾奥にあり、天然の良港である。一八八〇年の日朝修好条規によって開港。以後主として対日貿易にたずさわり、一九一四年開通の京元線をはじめ元山起点の鉄道網が整備されると、日本人の大陸や北朝鮮各地への進出の拠点となった。
朝鮮戦争後、休戦線以北の江原道と合併し、その道都となった。造船、缶詰など漁業関連の諸工業が集中する日本海漁業の基地である。
また、白砂清松の美観を誇る松濤園海水浴場と金剛山観光の登山口として北朝鮮有数の保養地となっている。
©2004 Kaneo Kikuchi