茂山は咸鏡北道の山間地にある鉱山都市。中国との国境河川、豆満江中流の狭小な平地部に位置する。
日本植民地時代は間島への朝鮮人移民ルートや豆満江流域の木材搬出の基地となり、筏流しが行われた。
一九三〇年、鉄道建設を契機に茂山鉄鉱山開発がすすめられ、この鉄鉱石を原料とする大規模製鉄工業が清津に建設された。
現在は茂山から清津の金策製鉄所までパイプラインが設置され、茂山の選鉱所で粉砕された鉄鉱石が効率的に送られている。
茂山鉄鉱山の埋蔵量は十億トン以上と推定される朝鮮最大の磁鉄鉱床で、品位は四十パーセント内外と、それほど高くないが、北朝鮮の国内需要は十分みたし、日本等へも輸出されている。
©2004 Kaneo Kikuchi