当時私は、岡山県玉野ドックで新造した戦時標準A型貨物船
本船が玉野から門司まで回航する間に、先航船がつぎつぎと米軍投下の機雷に触れ沈没、遂に一番船となった。果たして門司まで無事航行できるか懸念されるほど、瀬戸内海の航路は機雷群に埋め尽くされていたが、幸運にも無事門司に入港することができた。
ここで、直ちに朝鮮へ陸軍の軍需物資輸送の任務を命じられた。翌朝離岸直前に本船の間近で時限機雷が爆発した。タイミング次第では本船が触雷したかも知れず、昨日のはらはらさせられた処女航海とあわせ、本船は運が良いと船内の話題になった。
門司から
強運にも釜山まで軍需物資の輸送任務を遂行するこができた。
©2002 Kaneo Kikuchi