軍の船舶保護放置

おかのことは皆目不案内でも、このような急迫事態のときは動物的感覚がはたらくものか、すぐに防空壕が見つかった。入口は爆風で生きた心地がしないので壕の奥の方に進んだら、何と陸兵で満員だった。

岸壁に係留のままソ連機の連続爆撃にさられている悲惨な輸送船の現状を無視し、適切な避難指示を怠る軍の無責任さと、戦意欠如に唖然たるものがあった。

©2002 Kaneo Kikuchi

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