新造軍艦の悲哀
数日後、港外に温存の軍艦が入港してきた。それは、新造巡洋艦の「酒匂[さかわ]」であった。
同巡洋艦は燃料不足で、出陣の機会もなく終戦になったことは、さぞ無念のことであったろう。
(元酒匂乗員の証言によると、本艦は生き残り巡洋艦三隻中の一隻で、燃料不足で沖縄出撃を断念して港外に潜んでいたという。 戦後は復員輸送に従事し、その後戦艦長門[ながと]と共に米国のビキニ環礁での水爆実験の標的になったとのことである。)
参考:軍艦『酒匂』始末記(阿部達氏)
参考:次に同型艦の情報がある。
阿賀野型図面と要目
©2002 Kaneo Kikuchi
表紙 目次 前頁 55 次頁