V 「硝煙の海」を考察する

 

硝煙の海の背景

硝煙の海の思い出記は終わった。当時の心境を振り返ると「いずれ戦死」を覚悟していたので、場面々々を刹那的に過ごし、メモをとる考えがなかったことを今になって後悔しきりである。

幸い最近になって「ジャパンライン想出集」が親友から。また、第八十二号海防艦森艦長の自伝「葉隠に生きる」が同艦の戦友からそれぞれご提供があり、その一部を前章に再掲させていだだき、頼りない愚作を補完できたことは感謝にたえない。

この章では、参考文献や実体験上からみた当時の戦局の背景など、若干考察してみたいと思う。

©2002 Kaneo Kikuchi

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